くろがスリンガーに執着するあまり、密通を疑われて、窮地に陥る話を欲しております。
「身の潔白を証明したいならば、見事スリンガーを捕らえてみせよ!」
先ほどの査問会議で、上層部の放った言葉がよみがえる。
(……くだらん)
くろボンは心の中でひとりごちた。
(俺は身の潔白のために戦うのではない、俺が戦うのは……)
足が止まる。
(何の為だ?)
くろは痛いほど正義の人なんですよ……。ただそれが最善とは限らないし、己が執行しようとするあまり見失う。
己の正義に基づいて動いているけれど、自分のことを正義だなんて思っていない。『強さの言い訳』のようである。
何を目指してるかがわかっていない。所詮はきれいごとと、切り捨てるものを、本当は求めているとも知らず。
スリンガーもそう。
立場が違えばあるいは、なんてね。
ただくろは、誰かのためになら、最終的にプライドを捨てられる気がする。
スリンガーはそれをしない。
あるいは過去そういう場面があって、今の諸行感になったのかも。なんてねなんてね!
