月がないので星がみえます

あおボン

 みなさんこんにちは。あおボンです。ご無沙汰してます。
報告が遅れましたが、グランパ(グレイボン博士)の手伝いで、今は地球に来ています。もし地球に来ることがあったら、ぜひ立ち寄って下さい。 それはそうと、早速なんですが、相談です。
しろボンさんとくろボンが、二人揃っていなくなってしまったのです。
しろボンさんが城の中でいなくなることはよくあるみたいですし、くろボンも仕事がありますから別におかしいことはないのですが、実は、ちょっと気になることがあったのです。何日か前、ボクが地球に来てちょっとです。しろボンさんが、神妙な顔で研究室に来たんです。
何だか悩んでいるようだったので、お茶とお菓子を出して、ちょっと聞いてみたんです。
それが、くろボンの話でした。
「くろボンって、周りはクールだとか格好いいとか色々言うけどさ、実際すごい冷たいよね。あれで結構子どもっぽいし……、格好いいというより、無理して作ってる感じ。」
といった内容でした。
悪口、という陰湿さは無かったのですが、どうしても我慢できない愚痴、のようには聞こえました。
壁に耳あり障子にメアリー、と言いますから、ましてや相手がくろボンですから、余計な波風は立てないよう、適当に相槌を打ちつつ、やんわりと逃げてみました。
「近づきがたい雰囲気は持ってますよね。親衛隊って大変ですから、頑張ってるんじゃないですか。」
すると、しろボンさんも頷いてはくれたんですけど、ぽつりと一言、
「友達、いるのかなあ。」
なんて言ってたので、相当根深いと感じました。

皆さんはどう思いますか?

みどりボン

 こんにちは。みどりボンです。
あおボン、地球にいるなら寄れば良かったな。
実は私も地球に来ていたんだ。 しろボン王子とくろボンって、そんなに仲が悪いのかい?
一緒にいた時は、いいライバルのように見えたんだが。実は今朝、そのくろボンを見てね。
朝に体を動かしたくて、ぐるっとジョギングしてたんだけど、砂利の敷かれた河川敷に差し掛かったところで、くろボンが見えてね。まだもやが残っているころだ。
あいつには珍しく、遠目に見てもわかるくらい、挙動不審だった。落ち着かないというかね。息を大きく吸い込んで、しきりに辺りを見回してた。それなのに、私は目に入っていないようだったな。
河原と言ったら決闘だ。安直だけどそんな雰囲気があって、しばらく見てたら、ふっと何か決心したように歩き出してね。
いよいよ決闘の相手が来たのかと思ったけど、くろボンの歩いて行った先には誰もいなくて、拍子抜けしたよ。
思うに、精神を集中させてたのだろうけど……、あいつにも、緊張することってあるんだな。

あおボンの話を見たら、何だかしろボン王子とくろボンが、果し合いでもしてたんじゃないかって思えてきたよ。
さすがに突飛すぎかな。

みずいろボン

 やっほー。みずいろボンです。久しぶり。
みんな結構地球に行ってるんだ。
ボクも実は行ってたんだけどね、この前。 そうその時、しろボン見たな。ボク行きつけの紅茶専門店で。
いつもならじいやに買いに行かせるんだけどね。たまにはボクも付き合ってもいいかなーって。
そこでばったりね。
しろボン、怖いくらい真剣に選んでるんだよ。プレゼントでもするの? って聞いたら、なんだか曖昧な返事だったけど。多分、自分用じゃないと思う。
ボクもアドバイスしておいたけど……。しろボン、好きな子でもできたの?
あ、仲悪いのって、それと関係ある?

あかボン

 こんにちは。あかボンです。
しろボンは知らないけど、くろボンにはいるかもしれないわね、彼女。 この前ね、相談を受けたのよ。デートスポットについて。
今度スパーフェスティバルがあるでしょう、その宣伝に来てて、くろボンとはその関係で話したんだけどね、話の流れでぽろっと。
遠まわしに、私を誘っているのかと思ったんだけど、どうやら違うみたい。
信じられる? 目の前の美人を放っておいて!でもね、私は心が清らかだから、嫉妬心なんか微塵も出さないで、答えておきましたけど。
けれど、あんな不愛想な彼氏がいたら、彼女も大変ね。

そういえば、イベントの日って今日だった気がするけど、もしかしたらみどりボンが見たのって、デートに行く前のくろボンかしら。だとしたら、何だか初々しいわね。
けれど、しろボンとくろボンのケンカの原因が、そのデートにあるとしたら、私、悪いことしちゃったかしら。

ああ、一人の女を巡って繰り広げられるバトル! っていいわよね。
私にもそんなロマンスが訪れないかしら。

きいろボン

 ちぃーす! いつも男前、きいろボンですー。
まずあかボン、お前さんにはそんなロマンス、槍が降っても絶対に訪れんから安心せい。 何だかみんな三角関係について盛り上がっとるらしいな。
でもなー、ワイはちぃーっと違うと思うで。だって、二人とも、デートしとったもん。
カフェではしろボンがチキンサンド頼んどったな、ミックスジュースお代わりして。パンケーキも食うとった。テーマパークにくろボンが付き合わされてるのも見たわ。しまいには、二人でラーメン。
仲むつまじーく恋人のように寄り添うて、一緒にラーメンすすっとったわ。

見た目はゴテゴテに着飾りよって、変質者っぽかったけどな。ワイの目に狂いはない。声がまさしくそれやったわ。
有名人やから、仕方ないんやろな。熱愛報道! なんて騒がれたら、たまったもんやあらへん。

かくいうワイはそのラーメン屋台の店番しとったんやけど、全然気づかれてなかったっぽいわ。それだけ二人の世界に入ってたってことやな。ラブラブやん。末永く爆発しろ。
まあワイは、心が広いし、誰が誰とつき合ってようが、何も言わんけどな。
城の前で、名残惜しそうに別れとったで。

だから、ケンカ、っちゅーのも勘違いだと思うわ。

みどりボン

 ちょっと待ってくれ。
きいろボンの話だと、その彼女は、しろボン王子ともくろボンとも出掛けているじゃないか。となると、彼女は二股を掛けていたことにならないか?
お付き合いをしていなくても、一緒に遊びに行ったりはするのかもしれないが、お互いあちこち巡っていたみたいだし、本人たちはデートのつもりでいたんじゃないか。朝のくろボンの様子だとそう感じるんだが。ケンカどころの話じゃないぞ。それこそ決闘だ。

あかボン

 まあ、フタマタだなんて、女の風上にも置けないわ。仮にも相手は一国の王子と隊長よ!
そうならやっぱり三角関係じゃない。どこがどう違うのよ、きいろボン。さもないと、あなたに槍を振らせるわよ。 あるいは、デートでふられちゃったってこともあるかしら。ないとは言えないわね。しろボンは、女の子の気持ちに鈍感だし、くろボンは愛想がないし。
一体どんな彼女さんなのかしら。二人が入れ揚げるくらいだし、それはもう、女神ボンのように美しいんでしょうね。結局どっちを選ぶのかも気になるわ。けど、あんまり詳しく聞くのは良くないわね。ほとぼりが冷めたら、ちょっと聞いてみようかな。

みずいろボン

 ってことは、今頃しろボンとくろボンで決闘してる? ちょっとおもしろそうだね。どっち勝つんだろ。
普通に考えればくろボンだけど、しろボンは、ここぞという時に強いからなあ。

あかボン

 フタマタかける彼女のどこがいいのかしら。
「わたしのために争わないで!」って、一度でいいから言ってみたいわ。

きいろボン

 あかボン>そりゃお前さんに機会はないやろ。

あかボン

 きいろボン>首を洗って待ってらっしゃい^^

みずいろボン

 思いついたんだけど、二人がデート対決したってことはない?
ボクの選んだ紅茶は、そのためだったのかも。
くろボンと対決ってなれば、気合も入るよね。

みどりボン

 なるほど!
では、二股とは違うのかな。浅はかな自分を反省するよ。

あかボン

 フタマタでないのならいいんだけど。
だとしたら、男同士で戦って、勝手に彼氏を決めちゃうってのはどうなのかしら。彼女の気持ちはどうなるのよ。

みどりボン

 彼女が決められないから、対決してるんじゃないか?

あかボン

 それもそうか。
王子と隊長を天秤にかけられるなんて、うらやましいわ。

きいろボン

 そうそう忘れとったわ。
ワイが見たのは、しろボンとくろボンやで。一緒にラーメン食っとった。

みずいろボン

 えっ、それってどういうこと???

みどりボン

 わからなくなってきたぞ……。

あおボン

 あおボンです。しばらく目を離していてすみません。
皆さん、情報ありがとうございました。
あの後、しろボンさんとくろボンもお城に戻ってきました。よくわからないけど、なんだか前より仲良くなってる気がします。まずは一安心です。 ところで、皆さんの話を踏まえて、真相を推理してみたんですけど……。
あくまでボクの推測です。込み入った話なので、お二人には直接聞けなかったので、もしかしたら事実と違うのかもしれませんが、おまけ程度に聞き流してほしいです。ズバリ、こうです。
お二人は、同時に一人の女性を好きになった。けれど、二人とも、ふられてしまった。

いきさつはこうなります。
しろボンさんには、お付き合いしている女性がいた。ごく普通の、一般の方です。
身分を隠して、時折城下に繰り出しては、仲を深めていった。
一方王子を探しに街へ出ていたくろボンは、たまたましろボンさんに会いに来たその女性を見て、一目ぼれしてしまう。このチャンスを逃すまいとしたくろボンは、その女性と会う約束を取り付ける。
その現場を、しろボンさんが見てしまうんですね。

いかに自分とお付き合いしていると言えど、相手はくろボンです。三高と言っても差支えないハンサムエリートです。しろボンさんは身分を隠してますから、そんな男が目の前に現れたら、相手の女性が心変わりしてしまわないかと、やはり不安にもなるでしょう。
そうして、しろボンさんはくろボンへの嫉妬心を募らせます。
けれど、選ぶ権利は相手の女性にあると気がついたしろボンさんは、あえて、くろボンが取り付けた約束の日にデートを申し込んで、彼女がどちらを選ぶか任せようとしたのだと思います。

それで、当日です。
女性は悩んでいました。突然現れたくろボンは、やはり魅力的だったのです。決めきれないまま、くろボンとデートすることになります。悩みに悩み、最後に、くろボンをふりました。何故なら、しろボンさんもまた、特別な存在だからです。

しかし、相手がしろボンさんとお付き合いしていると知ったくろボンは、その話のはずみで、しろボンさんが王子であると女性に知らせてしまいます。
そこで女性はさらに悩みます。ごくごく普通の女性が、王子などという身分の方と付き合っていけるのか。そして決めたのです。これを最後にしようと。

そうして現れたしろボンさんと、最後の思い出を作った後、彼女は別れを告げました。
結果、二人ともふられてしまったのです。

傷心の二人が出会ったのはラーメンの屋台。
当てもなく歩いている内に、当事者同士がばったり出くわしてしまいました。
しろボンさんからすれば、くろボンが正体をばらしさえしなければ、とも思う訳ですが、彼女に身分を隠していたのは事実ですし、くろボンを恨む気も消えてしまいます。
反対にくろボンは、しろボンさんもふられてしまったと知り、自分が口を滑らせなければ、と悔やみますが、二人でラーメンを食べながら語り合っている内に、お互い打ち解け、わだかまりはすっかりなくなりました。
こんな感じで二人は仲直りしたのです。

どうです。名推理でしょう?
我ながら自画自賛です。

きいろボン

 屋台でそんな話しとったかな……。
まー、あおボンの推理で大体合っとるんやないか。知らんけど。 ワイはてっきり、二人が付き合うてるのかと思ったんやけどな。

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