彼の絶望とはなんだろう。
『己の信じていたもの(アイデンティティ、存在意義)が、まったく無意味だったと思い知ったとき』かな。正義だと思っていたものは、なんの役にも立たなかった。ただの利己主義だった。
BC編くろは、殿下の正体にショックこそ受けてたけど、その上で心中も覚悟してたから、メンタル鋼だと思うんですよ。
降臨編くろは、柔軟性を持ち合わせてるし、みかボンちゃんがいれば折れる要素が見つからない。
Vくろは、ただ単に精神的に未熟なだけだし、マスターがいるから大丈夫だと思われる。
そういう意味で一番堕ちそうなのが紋章編くろ。
自分に近しい存在も、導いてくれる存在もいないんですよ。つまりは止めてくれる人がいない。
ゴールデンボン王が正気であれば、そうなれたのだけど。王子とは疎遠。セレスパラスは介入してこない。その特殊な立場から、どうせわからないだろうと、「誰にも理解されようとしなかった」。
「隊長」という立場ありきであって、「くろボン」という視点で見られないんですよ。
その辺のジレンマは、しろも抱えていて、理解できるのだけど。厄介なことに、くろは「隊長としての自分」でいたいのですよ。「くろボン」なんていらない。弱さなど存在してはいけない。
しろが「オレでも王子やれてるし!」って言うのだけれど、「俺はお前とは違う!」と救いの手を振り払う。
若くして重責を担わざるを得ないが為に、完璧であろうと取り繕い続けて、いつしかそのツケで決壊しないだろうか。
多分なー、紋章編くろは自己承認欲求のかたまりなんですよ。他人に認められて当たり前、それ以上に、自分で自分を認めたい。隊長なら、エースパイロットなら、こうあらなくては駄目だ。「そんなに頑張らなくていいんじゃない?」は、くろの存在を殺す。
けれど優しさが捨てきれない。己が「甘さ」と評するその感情が捨てられない。「そんなものはいらない、強さがあればいい」と思っていたのに、くろ自身が優しさに救われるんですよ。
なにも本編の時系列で起きるとは限らないんだよな。
ならば、紋章編くろは、正気のゴールデンパパンに鉄拳制裁くらえば一発で改心しますね。
しろには甘いゴールデンパパンが、息子と同じ年頃のくろを気にかけてないわけがないんだよなあ。
同様の理由であおも気にかけているけれど、くろとは違い猫可愛がりするので、内心くろが不満に思ってたらいいなあなんて。
