紋章編くろの周辺

しろはくろの葛藤(己の忠誠心)には気付いておりません。
というのも、しろの知っているくろが既に葛藤している状態だったからです。

本編冒頭でしろがくろに対して敬語だったことから、しろがフレンドリーであったとしても、そこまでお互いを知らなかったと思われます。
多分くろの事だから『主が臣下に対して馴れ馴れしい口調で呼ぶのはどうか』と、あくまで立場上の付き合いだとしろを突き放していたのではないかと思います。

仲良くなったもとい距離を縮めたのは本編以後になるので、これがくろの普通の状態だと思って、しろは気付きません。
もし吐露することなどがあった時、くろが他人に厳しく自分にもっと厳しいのは理解しているので、言動の端々にああそうかもしれない、と思いかえすのです。

ただしろに気にかけられたらくろはもっと気にするので、気付いてくれない方が平静を装えるのも事実。

みどりですが、彼は彼でくろにコンプレックスのような感情がありまして。
彼も余所者ですから精一杯役に立とうとしているのですが、くろという無欠の前例があるので、どれだけ出来たところで当たり前のように思われてしまう。
みどりはくろより内務的な仕事が出来ますが、それはみどりが無駄を省いて合理的にこなしているのであって、何でも仕事を拾っているくろの方が実際の仕事量が多いのです。

彼の忠誠も絶対であるのですが、忠誠心は競うものでないにせよ、くろには敵わないと思っているので、自分の忠誠心に対してやはり懐疑的です。

ただ彼も割と苦労してきているので、割り切っているといいますか、今は達観しています。
遠くない将来多分くろと同じ時期に彼にも試練が訪れるかもしれない。

そしてビーダ王国他の面々ですが、彼らは全くくろが言うところの『裏切り』を気にしておりません。
最初は土星まで征服したヒーローであったし、結果それが邪悪なる意志によるものだったとして、最終的には大陽系を救ったからです。平和な国なので人々の気性も寛容です。
逆にそういうところがくろにとって内心怖いのでありますが。

くろに近いセレスパラスなどは、くろの性格も把握しておりますので、『まぁくろボン隊長ならそう思ってそういうこともするだろうな』程度にしか思っておりません。
むしろ負い目を払拭せんが為に若干無理しているように見えて少し心配しております。部下の心上司知らず。
ゴールデンボン王なども若いくろを心配している訳です。

だから悩んでいるのはくろとみどりだけなのですが、くろは本人必死で隠しているように見えて余裕がないのがバレバレなので周りに気にかけてもらえるのですが、みどりはそこまで思いつめないにしろ周りにはまったく悟られない(ようにしている)ので、つらいのはみどりの方かもしれません。

ただ、くろボンさんに余裕がないのは周囲にバレバレではありますが、原因は理解されていないので、解決するに至らないのです。ゴールデンボン王は薄々気づいているかも。
早く出世しすぎた故の弊害というべきなのでしょうが、そういう理由もあって平和なこの国に二人の防衛部隊トップがいる訳ですが、くろにとっては良い影響も大きいですが悪い影響もなくはないです。
でも差し引きみどりの存在は大きいと思います。

みどりの試練ですが、くろの試練は確信を得るのに対し、みどりは懐疑的なまま半ば賭けにでます。
ここで守れたら本物だと、ここで倒れるなら贋物だと。
みどりの忠誠は本物だと思いますが、倒れるか立っているかは想像が巡りません。