紋章編くろのアイデンティティ

紋章編くろって自分が必要とされたいんじゃないかと思いまして。

紋章編のくろは結構な豆腐メンタル(というmy設定)です。
精神的な強さだとBC編くろ>>>Vくろ>>>>>紋章編くろでしょうか。
Vくろは吹っ切れた後の強さが素晴らしく揺るぎない。
紋章編くろは強いものにはとことん強いけど弱いものにはとことん弱い。

なんだかんだいって、紋章編くろはしろに忠誠を誓ってはいます。
最初は隊長の役目としてしろを守ってました。心からの忠誠というと疑わしいですが、自分が『守備隊隊長』を名乗るからには王子を守るべきだという、ある程度割り切った考えからです。
最終的には心の底でしろを王子として認めるまでになります。

しかし、そうなると不安になる訳です。
自分が尽くしてるのは、『裏切り者』の負い目を拭いたい為でないかと。
自分の忠誠も、実はまったくの嘘ではないかと。

単純な戦闘能力でいうところの強さが必要とされなくなった今、王国を守り抜くことが彼の強さの証明であり、存在意義となりました。
が、自分の忠誠も偽りだとするならば、自分の存在理由はなんなのだろうと。
そもそも平和なこの国において、強さを求めた自分は異端であり、必要とされる理由がわからない。

才能があった為に周囲から期待され、それに応えることで存在意義を確立していったくろにとって、必要とされなくなくなったならば、存在する意味がなくなる訳です。

なんで裏切ったのかと問えば、平和な王国ではこれ以上の強さを望めず、強さが存在意義の彼にとっては危うかったのかもしれません。

王子に対して辛辣なのは、常に彼より上の位置にいることで、王子に必要とされる存在であろうとするのが透けているのかもしれません。自分を負かした相手で、唯一認めた相手でもあるから、自分を越してほしいと願っているにも関わらず。

それが遠い未来であるなら、くろも考え方が変わって心から王子の成長を祝えるでしょうが、それが近い将来であるのなら、しろが軽い気持ちで『もうくろボンに教わらなくたって平気だね』と言ったならどうするんでしょうね。

忠誠というか依存というか、なんだかんだいって王子を構っているのも、実は自分の方が構ってもらいたいからなのです。
態度がきついくせに放っておかれると縋るのは、BC編ジャックと一緒ですね。

忠誠を誓う相手がいる、という点ではVのみどりと同じだし、みどりも自分が(職業的な意味での)騎士という立場をはく奪されることを恐れていますが、みどりはそれでもあかを一生の主人として守り抜くのに対し、くろはしろから隊長の座を罷免されたらやめてしまいます。それが休んでほしいという心遣いでも。

結局のところ、くろのしろに対しての忠誠は絶対なのです。
言葉では表せないけれども、行動で示す場面が訪れたら、死ぬ気で王子を守ってみせます。
『死ぬ気』ってことは死亡フラグを立てておきながら折るということです。
惚れた弱みならぬ認めた弱みです。

でもってしろのくろに対する信頼は絶対のものです。
だからくろがそんなに思い悩む必要はまったくもってありません。
しろはくろが負い目を感じていることすら気付いていないので、至って普通の態度で接していますが、それがくろからすれば淡白に感じるようです。

簡単に言えばくろが一人で思いつめてるだけです。

BC編くろもVくろも本編の中で危機を乗り越え成長していっているので、紋章編くろの強さの真価が問われるのは本編以後でしょうね。
なんてったって大陽系十の惑星を束ねるビーダ王国の親衛隊長ですから。